陶芸家ニナルッ!

好きなことして生きていきたい!40代OLの奮闘記です

【窯のふしぎ】狙っては出ない色が出た?!

f:id:machicoo_utsuwa:20191019182254j:image

こんにちは。

陶芸家ニナルッ!と奔走中のmachicooです。

 

出張やらなにやらで、少しブログの間隔が開いてしまいました(´∀`*)

今日は久しぶりに陶芸のお話を。

 

コーヒーサーバーとタレ入れが完成したのですが、原因不明な色の変化が!!

釉薬焼成に詳しい陶芸教室の先生も、理由がわからない!そうなのです。笑

 

  • 原因不明な色の変化!

まずは写真をご覧ください^_^

 

①本焼き1回目:酸化焼成


f:id:machicoo_utsuwa:20191020121709j:image

f:id:machicoo_utsuwa:20191020121706j:image

※左のコーヒーカップは以前の作品で、今回関係ありません。

 

 

外側は白ベース、一部焦げた感じを出した。

内側は黒(マット)

 

どちらも1回使用して洗って干していたら、なぜか色が変わってきたのです。

 


f:id:machicoo_utsuwa:20191020122037j:image

f:id:machicoo_utsuwa:20191020122033j:image

 

まさかカビ!?コーヒーが染み付いた?!

だとしたら焼けば飛ぶ!

ついでに、焦げ模様がつよすぎた部分を目立たなくするために、ピッチャー(コーヒーサーバー)には水玉模様をつけて。

 

こうして再焼成をしました。

 

②本焼き2回目:還元焼成


f:id:machicoo_utsuwa:20191021221010j:image

f:id:machicoo_utsuwa:20191021221007j:image



 

外側の色が全然違う!!白→渋い茶色になったのはおわかりいただけましたか?

 

これには陶芸教室の先生もナゾとのことで…

 

 

  • 焼成方法の違いによる色の変化

陶器を作る工程として、素焼き→釉薬→本焼きがあります。

かける釉薬が同じでも、本焼きの時にか酸素がある状態(酸化焼成)なのか、無い状態(還元焼成)なのかにより、発色が変わるものがあります。

 

かといって必ず変わるわけでもなく、ほとんど変わらないもの、全く違う色味のもの、少し明るさが変わるもの、など釉薬により様々。

 

今回、器の外側は白化粧という白色の土をつけて、釉薬はかけずに焼き締めました(一部には焦げた感じを出すために薄く釉薬をかけてます)。内側は黒マット釉をかけました。

 

先生のお話では、今回の釉薬では、どちらの焼成方法でもほとんど変わらないとのことだったので、2回目は還元焼成にしました。

 

ところがこのような変化が起きたのです。

 

  • 2回目は溶けやすい

先生までお手上げ状態の色の変化。先生のお知り合いなどにも聞いてくださるとのことでしたが、まだ原因不明。笑

 

あれこれ悩んでいた先生から出てきたのは、2回目は釉薬が溶けやすいとのこと。やきものは、窯で高温で溶けて固まることにより作られます。

1回目の焼成で一度溶けているので、2回目は溶けやすく、釉薬が薄い感じになったり、素地の影響が出てきたりしやすくなるそう。(⇦というようなことをおっしゃっていたと思うが、しっかり理解できたか自信ないデス。笑)

 

最後は火のチカラにお任せするしかない。

“窯焚き一生”なんて言葉もあるくらい難しくもあり、100%コントロールすることなどできない不思議な世界。

 

日本では縄文時代から土器というやきものが作られた。その頃から火のチカラを利用していた先人。道具は進化していても、今でも最後は火のチカラ。

太古から続くロマンなんだなぁ、と思いました!

 

(╹◡╹)最後までお読みいただきありがとうございました

陶芸教室の生徒さんからは、この色が好評だったそう。たしかに味わい深くなっています。

コントロールできないことを楽しむこと、陶芸だけではなく大切なことかもしれませんね。

 

それではまた!

machicoo