こんにちは。
本日は冷却還元焼成(炭化焼成、還元落としとも言われます)の作品をご紹介します。
- 久しぶりの冷却還元焼成
私が通う陶芸教室では3種類の焼成ができます。酸化焼成、還元焼成、そして冷却還元焼成です。冷却還元焼成は、炭化焼成や還元落としとも呼ばれています。本焼後に窯の温度を下げていくときに、還元をかけ、そこで発生する炭素を作品に吸着させて黒っぽくしていくもので、釉薬によってはキラキラとした輝きが出ます。
還元をかけるというのは、一般的には窯の中にバーナーでガスを送り込み、窯の中の酸素を奪うことを指します。(窯により他の方法もある)
冷却還元ができる教室は少ないのですが、私の教室ではやっていて、渋い仕上がりになるため、選ぶ人は多くありません。焼成する作品がなかなか溜まらないので、焼成のペースは2か月に1度くらいです。そんなレアな焼き方を久しぶりにやってみました。
- 息を吹き返したぐい呑み
かれこれ1年以上前に、学校の楽焼の課題を考えている時にテスト的に作っていたぐい呑み。赤土、赤荒土、白土、白荒土の4種類を少しずつ手捻りで繋いで成形したもの。色と質感の違いが楽しめるかなと思っていました。
テストのためかなり大雑把に作ったものの、せっかくだから焼成することにして、素焼はだいぶ前に終わってました。その後、釉薬が決まらない状態が長く続き、もう、本焼きするのをやめよーかな、という気持ちでした。
そんな中、久しぶりに回ってきた冷却還元のタイミング。透明釉を薄き吹き付けて焼くとキラキラする。キラキラが目立つのは赤土。赤土と白土の違いがおもしろくなるかも!と考えてやってみることに。
焼成前
焼成後
写真では細部まではわかりにくいかもしれませんが、赤土と白土の違いで2色になっているのはわかるかと思います。
吹きつけでキラキラ感を出したことで、のっぺりせずに複雑な感じになったような気がします。土の荒さによる違いはあまりよくわからない結果でしたが、いろいろな表情が出ているので、その一助になっているのかもしれません。
見ていて飽きない器になり、本焼きをやめずに粘ってよかったです。
- 白土を赤土風に変える方法
素地の土の色により、同じ釉薬をかけても発色はかなり異なります。以下の冷却還元の色見本でもわかるかと思います。
ぐい呑み以外にも冷却還元をもっとやってみたいと思いました。急にやることにしたので、素焼きが終わっているものしかできません。白土で作ったものしかありませんでした。でも見本にある「いらぼ」の赤土、透明釉吹きつけの赤土をやりたい。
先生からの提案で、表面に弁柄を塗ることで赤土風にしてみることに。赤土の赤は鉄分なので、弁柄(酸化第二鉄)で鉄分を加えるということ。そんな方法もあるのですね。
弁柄を塗ってから釉薬をかけました。
焼成後
左がいらぼ。右が透明吹きつけ。
右側はもっと黒くキラキラ発色するはずが、白っぽい。弁柄が薄かったのかも、とのこと。ただ、いろんな表情が出ていておもしろいです。
久しぶりの冷却還元、楽しめました。一番手がかかる焼成で、教室でもなかなか回ってこないため、これをメインにやるのは今のところ考えられませんが、また回ってきたら遊んでみようと思います。
それではまた!