こんにちは。
陶芸家ニナルッ!と奔走中のmachicoo(まちこ)です。
小鹿田焼は以前にもご紹介させていただいたことがありますが、先月、現地に行ってきたので第2弾として現地の様子を中心にお話ししたいと思います。
- 小鹿田焼(おんたやき)って?
まずは、前回の復習から。
小鹿田焼とは大分県日田市北部の山間部で作られている民芸の器。福岡県の小石原焼から派生した約300年の歴史ある焼き物です。
10軒の窯元が、家族代々で受け継いで、土の採取→陶土作りから、登り窯での焼成まで、開窯当時の伝統的な方法を続けている。現在の主流の電気釜、ガス釜は一切使いません。
2017年の九州北部豪雨で、土作りの際の水力として使う道具の唐臼が流されてしまうなど多大な被害を受けたが復旧を果たした。
364日、唐臼で土を砕くギギギギギギ〜ゴトンという音が村に鳴り響く。音が止まるのは元旦だけだそう。
- なぜ、行ったの?
それは、一子相伝で続けられている、伝統的な制作風景を見てみたかったから。
いつか行ってみたい!という漠然とした希望でしたが、以前お話した「あまりあるチカラとカタチ 巡回展」がきっかけで行ってまいりました!
- 伝統が残る、小鹿田の風景たち
写真にて一挙ご紹介いたします!
- 水害を越えて
小鹿田焼は、土作りから自分たちで行います。山から採ってきた土を細かく砕く作業に活躍するのが“唐臼(からうす)”です。
動力源は、町に流れる川の水。”ししおどし”のような原理で、大きい木製の道具に川の水を溜め、重さが限界になるとそれが反対側に傾く。反対側の部分には杵(きね)のような棒が付いていて、下にある土に向かって、杵が勢いよく降りていく。
こうして、何度も何度も砕くと陶土になる細かい土ができるそう。ギギギギギギ〜ゴトン、を繰り返す風景はおおお〜と感動もの。見惚れてしまいます。
この唐臼が、2017年の九州北部豪雨の際に流されてしまったそうなのです。唐臼は町のいたるところにあるのですが、見るのは真新しさの残る白っぽい木のものばかり。水害の大きさを物語っていました。
唐臼が流されたということは報道で見たことがありましたが、被害の大きさを実感。見えないご苦労は今もあるのかもしれませんが、唐臼を新調し再起をされていることがわかり、本当に良かったと思いました。
(╹◡╹)最後までお読みいただきありがとうございます
すべて一から手作りしてる小鹿田焼。さぞお高いんでしょ?と思ったかもしれません。
逆なんです!作家ものに比べたらだいぶ安い。私は自分で作陶するようになり、うつわができるまでの工程の多さにびっくりしました。手間がかかるものはお金がかかるよなーと思うのです。
ところが、小鹿田焼はリーズナブル。経費が安く済んでるから?確かに土は山から採取。砕くのの動力源は川の水。窯は電気やガスではなく薪で焚く。家族でやるから人件費もほぼかからない。
いやいや、もっと取る価値あるよー、と思えて仕方ないのでした。でも陶器を集めている私にとっては、とてもありがたいことです^_^
それではまた!
machicoo