陶芸家ニナルッ!

好きなことして生きていきたい!40代OLの奮闘記です

【窯の魅力】〜燻製の香り漂う〜低温焼成#1 黒陶

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こんにちは。

陶芸家ニナルッ!と奔走中のmachicooです。

 

学校の授業で低温焼成を体験しました。参加者全員大興奮!陶芸の魅力を体感した2日間でした。

本日はそんなお話を。

 

陶芸教室をはじめ、現在の焼き物は一般的には1200〜1300度くらいの高温で焼きます。高温で焼くと、低温より土が焼き締まり、吸水性が低くなり漏れにくくなります。また、高温の方が焼き締まり丈夫になります。

 

陶芸の歴史を遡ると、例えば縄目が美しい縄文土器なとが作られた時代には現代のような高温で焼く技術はありません。低温でも焼くことで土が固まって使えるようにしていました。

 

機能面では劣る低温焼成ですが、低温でしか出せない魅力があり今でも残っている理由なのだと思います。耳にしたこともあるかもしれませんが、代表的なのは安土桃山時代千利休が長次郎に作らせたという『楽焼』です。抹茶碗が多く作られました。

 

低温は楽焼以外にもあり、今回は「黒陶」と「アメリカン楽焼」の授業でした。

 

  • 黒陶

釉薬を使わずに焼成により黒い焼き物を作るものです。生の粘土の状態でスプーンなどで磨くことで光沢のある黒に。磨かないとザラッとマットな質感の黒になる。磨きの違いが模様となるとのことで制作段階から一手間かけました。


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左:重箱の3分の2を磨いてみた

中央:水玉になるように磨いてみた

右:抹茶碗全体を磨いた

 


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窯を3段くらいに分けて素焼きした作品を置く→耐火煉瓦を積んで蓋をし、隙間に粘土を塗り込んでできるだけ密閉する→灯油のバーナーを入れて焼成スタート!→650度になったら火を止める→新聞紙に包んだ松脂を投入→蒸気により焼成の効果を高めるために水を入れた缶を投入→焚口を塞ぐと、所々にあった隙間から煙が出てくる。粘土で隙間を塞いで密閉に近づける。→翌日まで自然に冷ます

 

翌日、窯出し。

前日一生懸命積んで密閉したものを、恐る恐る外していく。

そして現れた作品たち!おおぉおお!という感じ。


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ちゃんとススが染み込んで黒くなってます。先生曰く、今回の出来はいいらしいです。茶色っぽくなるときもあるようで、ちゃんと黒くなったとのこと。磨いたところと磨かない所の差がしっかり柄になっていて満足でした!

使うのが楽しみです〜

 

(╹◡╹)最後までお読みいただきありがとうございます

思わずずっと嗅いでしまう燻製のような香り。いい匂いです。

低温焼成の第一弾として黒陶をご紹介しました。次回はアメリカン楽をレポートしますのでお楽しみに!

 

それではまた!

machicoo