こんにちは。
プレゼントの投稿が続いていますが、次なるお題は湯呑み茶碗です!完成までの道のりをレポートします。
- 友人のご両親からのリクエスト
大昔にリクエストをもらっていた湯呑み茶碗。湯呑みは基本のカタチでもあるのでろくろの練習にもなります。学校の課題に明け暮れていたころに作って素焼きまでやったところで止まってしまっていました。
素焼きの時点でサイズが小さめだったので、本焼き後はさらに小さくなります。一般的な湯呑みのサイズを確認するために、和食器売り場を見に行きました。結果、サイズは様々で、意外と小さいサイズもあるのだな、と気づくことができました。
それであれば、本焼きしてみてプレゼントできそうな仕上がりになったら渡すということにしました。
- テーマは渋め、釉薬が重なることによる表情の面白さ
ご両親ということなので、渋めにすることに。渋めの中にも釉薬の面白さを入れてみようと思いました。
教室のサンプルなどを見つつも、基本的にはぶっつけ本番です。笑
2種類の釉薬を重ねます。
まず、外側から口の少し内側までにそれぞれ、黄瀬戸、黒天目をかけました。次に、内側にうのふをかけました。うのふは外側にも重ねてかけます。流れやすい釉薬と聞いていますがどんな感じになるのか、あとは窯任せです。
- 酸化焼成で本焼き
こうして無事に完成しました。上の方で重ねた釉薬がだいぶ下までダーっと流れています。重ねることにより複雑な色が生まれていておもしろい。
右側の黒天目は教室でも3色かけたのか?と聞かれるほど複雑な発色となりました。釉薬の厚みなどでも変化しそうなので、一期一会の作品だと思います。
- 熱さチェック!
今回はサイズが小さめなこともあり、器の上部まで熱いものを注ぐことが想定されます。
既製品の湯呑みでお茶をいただく際、器が熱くて持てないという経験があるので、自身の作品がどうなのか?気になるところ。完成後、目止め(米の研ぎ汁で煮沸して汚れなどが染み込むのを予防すること)をしてから、熱湯を注ぐ実験をしました。
器の7〜8割くらいまで注いで確認しましたが、アチッとなるほど熱くない。
今回サイズが小さいため、気になっていた熱さのことも解決したので、お渡しすることに。
- 熱さについて
熱さの違いが生じる理由などが気になり調べてみました。
磁器(有田焼や九谷焼など磁土で作られたもの)と陶器(土ものと言われる陶土で作られたもの)では熱伝導率が異なる。磁器は熱しやすく冷めやすいが、陶器は温まりにくく保温性がある。その理由は含まれている空気の量とのこと。磁器は焼き締まりが良く空気が少ない。陶器は焼き締まりが弱く気孔が多い。気孔が空気を含むことで断熱材のような働きをする。器の厚みがあればより空気層が増えるので熱が伝わりにくいとのこと。
なるほど!という感じでした。私の器は陶器で、かつ、技術不足で厚みがあります。笑。
湯呑みはある程度厚みがあったほうが持ちやすく、冷めにくいということになりますね。陶土で作るのがベター。抹茶腕が陶器が多く、また、低下度で焼く楽焼(焼き締まりが悪い)なども使われるのも理にかなっているようです。とても勉強になりました!
早速お渡しして使っていただきましたが、熱さは問題ないとのことでホッとしました。先日友人に贈ったピンクのカップとは全然違うテイストなので、いろいろ作れるんだ!と驚かれていたとのこと。確かに。使っていただきありがとうございます!
それではまた!