こんにちは。
陶芸仲間にお誘いいただき、初めて登り窯の窯炊きに参加させていただきました。
焼成は約3日間。
作品は予め発送し、窯詰めはお任せです。私は中日にお手伝いをしました。私がいた頃の温度は850度から1100度くらい。2時間で50度ずつ上げるように温度計を見ながら薪を入れるタイミングを見計らいます。最終的には1250度を目指します。
窯の形状は下の部屋と上の部屋の2層で、作品は上の部屋のみに入っています。下の部屋は常時750度〜800度をキープするように、大きな薪で調整します。上の部屋は左右両サイドにある小さい穴から、細い薪を一回あたり2〜3本入れていきました。上下どちらも、投入口には蓋があり、温度が下がらないようになるべく開けている時間は短く、スピーディーに。1000度を超えた頃には30秒に1回くらい入れてもいいくらい、また、温度が予定より低いよりは高いほうが望ましいとのこと。低温のうちは割れる可能性があるので温度により気を使いますが、最終的に1250度まで上がらないこともあるため、高温になってきたら上がっているうちに上げる方が良いとの判断のようです。
参加者で担当を交代しながら、薪割りも。電動薪割り機の存在を初めて知りました!両側から挟んで圧をかけるとパリッ、と裂けていきます。木目によってはうまくいかない場合もあり、きれいに割れると爽快です。笑。単純作業を無心で取り組むのも気持ちがいいものです。
途中、山間部ならではのスコール的な豪雨に見舞われました。窯に水が来ないよう、まわりの地面をスコップで掘り、臨時の水路を作り水を誘導します。何回もお手伝いに来ている男性陣が手際良く対応してくださいました。ものづくりをしている方々というのは、自分で工夫して切り抜けることに慣れているなあと感じました。
私は見届けられませんでしたが、最後は予定通り1250度まで上昇し、窯炊きは無事に終了しました。
終わってもすぐに作品を取り出せるわけではありません。急冷は御法度。割れてしまうのでゆっくり冷ましていきます。1週間後に窯出しが行われ、郵送していただきました。
作品はこちら!
陶芸教室でテストしたときはほとんど変化しなかった緋襷の模様が出ています。
中央に施した牡丹餅(道具土を置いて火の当たりをガードする)も外側との色味の変化を作ってくれました。
少し残念だったのは灰がかからなかったこと。器のフチに艶があるのがわかりますでしょうか。投入した薪が燃えてできた灰が被ると、土と反応してガラス質になると言われています。いわゆる自然釉です。薪窯の醍醐味でもあります。
自然釉もプロになれば経験を重ねて予想しある程度コントロールもできるようですが、基本的にはできてみないとわからないもの。灰がかからやすいのは薪の投入口から近いところ、つまり前列です。今回は窯詰めをしていないので自分の作品がどこに入っていたかはわかりませんが、ビジターとしての参加でしたし、おそらく前方ではないでしょう。
最前列は薪が当たって割れる危険もありながらも、灰の影響が出やすく特等席なんですよ。^_^
私としては、目指していた緋襷と牡丹餅による模様を出すことができたので満足しています。
ちなみに、正円で作りましたが、少し歪みが出ました。
欲しかった大皿ができたので、今まではギューッと密集して積み上げて盛っていた天ぷらを、ゆったりおしゃれに盛り付けてみようと思います。
それではまた!